FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問15
問15
個人事業主が加入する各種損害保険から受け取った保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、損害保険の契約者(=保険料負担者)は個人事業主であるものとし、特約については考慮しないものとする。
- 個人事業主が、所有する店舗が火災で焼失したことにより、店舗を対象とする火災保険の保険金を受け取り、当該保険金で店舗を再建した場合に、再建費用が当該保険金に満たなかったときは、再建費用と当該保険金の差額は所得税の課税対象となる。
- 個人事業主が、所有する店舗が火災で焼損して業務不能となったことにより、店舗の休業期間における収益の補償として店舗休業保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は所得税の課税対象となる。
- 個人事業主が、病気で就業不能となったことにより、所得補償保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は所得税の課税対象となる。
- 個人事業主が、所有する店舗内の倉庫に保管していた商品が火災で焼失したことにより、商品を対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は非課税となる。
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正解 2
問題難易度
肢114.1%
肢251.8%
肢39.7%
肢424.4%
肢251.8%
肢39.7%
肢424.4%
分野
科目:B.リスク管理細目:4.損害保険
解説
- 不適切。店舗の損害により個人が受ける損害保険金は、「資産の損害に基因して支払を受けるもの」に該当するため非課税所得となります。受け取った保険金が再取得費を上回る場合でも、差額を事業収入に計上する必要はありません(所得税法令30条)。
- [適切]。店舗休業保険から受ける保険金は、休業期間の収益の補填であり、実質的に売上の同様の性格をもつため、事業収入に計上する必要があります(所得税法令94条1項)。個人事業主が、事業用建物が火災で焼失したことにより業務不能となり、店舗休業保険から保険金を受け取った場合、当該保険金は非課税所得に該当する。(2022.5-14-3)
- 不適切。所得補償保険から被保険者が受ける保険金は、個人が病気やケガなどの「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」に該当するため非課税所得となります(所基通9-22)。Aさんの自家用車が自動車事故により全損し、Aさんが事故の相手方が加入する自動車保険の対物賠償保険から保険金を受け取った場合、Aさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税の課税対象とならない。(2024.5-15-1)個人事業主が、交通事故により負傷して就業不能となり、所得補償保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。(2019.1-14-1)
- 不適切。販売商品や棚卸資産等の損害により個人が受ける損害保険金は、本来は得られるはずだった収益の補填であり、実質的に売上の同様の性格をもつため、事業収入に計上する必要があります(所得税法令94条1項)。個人事業主が、所有する店舗で保管していた商品が火災で焼失したことにより、商品を保険の対象とする火災保険から保険金を受け取った場合、当該保険金は非課税所得に該当する。(2022.5-14-4)事業用建物内で保管していた商品が火災により焼失し、商品を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。(2020.1-15-2)個人事業主が、所有する店舗内で保管していた商品が火災により焼失し、商品を保険の対象とする火災保険の保険金を受け取った場合、当該保険金は個人事業主の事業収入となる。(2019.1-14-3)
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