FP1級 2026年5月学科試験 問2

問2

全国健康保険協会管掌健康保険の保険給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 被保険者が傷病手当金の支給を受ける場合、その支給期間の最初の日が属する月から、支給期間の最後の日の翌日が属する月の前月までの期間については、健康保険の保険料は徴収されない。
  2. 出産手当金の支給を受けている被保険者が退職し、国民健康保険に加入した場合に、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、退職後も出産手当金の支給を受けることができる。
  3. 被保険者が、被扶養者である妻の入院に伴う医療費と同居する父の通院に伴う医療費を同一月内に支払った場合に、父が後期高齢者医療制度の被保険者であるときは、高額療養費の額の算定上、父の医療費に係る一部負担金等の額は合算することができない。
  4. 被保険者である夫が死亡した場合に、夫により生計を維持されていた妻が埋葬を行ったときは、所定の手続により、埋葬料として5万円が支給される。

正解 1

問題難易度
肢152.9%
肢29.4%
肢333.2%
肢44.5%

解説

  1. [不適切]。産前産後休業・育児休業をしている被保険者については、事業主が保険者に申し出ることで、休業の開始月から終了日の翌日が属する月の前月までの期間は、保険料の徴収はされません(健保法159条・同法159条の3)。しかし、傷病手当金の支給中については、このような定めはなく、休職中であっても本人負担分・会社負担分ともに納付義務が継続します。
  2. 適切。退職日までに継続して1年以上の被保険者期間を有する人が出産手当金・傷病手当金を受給中に退職した場合には、本来支給を受けるはずだった期間、退職後も継続して当該手当金の支給を受けることができます(健保法104条)。
    出産手当金の支給を受けている健康保険の被保険者が退職した場合、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、退職後も出産手当金の支給を受けることができる。2022.9-2-4
    出産手当金の支給を受けている者が退職し、国民健康保険の被保険者となった場合、退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があるときは、被保険者として受けることができるはずであった期間、退職後も出産手当金の支給を受けることができる。2019.9-2-4
  3. 適切。高額療養費には、被保険者または被扶養者が、同一月に同じ世帯の複数人が支払った自己負担額を合算できる「世帯合算」という制度があります。ただし、合算できるのは同じ医療保険に加入している人同士です。本肢では、父は後期高齢者医療制度、妻は健康保険に加入しているため、父の自己負担額は合算できません(健保法令41条)。
  4. 適切。被保険者が業務外の事由で死亡した場合、その者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものに対し、5万円の埋葬料が支給されます(健保法令35条)。業務上の事由による死亡の場合には労災保険から葬祭料の給付があるため、埋葬料の支給はありません(健保法55条1項)。
    被保険者が死亡した場合は、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行う者に対し、埋葬料として10万円が支給される。2015.9-2-3
    被保険者が死亡(業務外)したときは、その者により生計を維持していた者であって、埋葬を行う者に対し、埋葬料として5万円が支給される。2014.9-1-4
したがって不適切な記述は[1]です。