2016年1月試験 問45 肢1について

ななしのごんべえさん
(No.1)
2016年1月試験 問45 肢1ですが、解説中に、「以前は、受贈者が相続人であるかどうかにかからわず1年前でした。」とありますが、改正前は、相続人に対する贈与は1年以上前の贈与も対象となると理解していたのですが、勘違いでしょうか。例えば、内田貴・民法Ⅳ補訂版507頁に同旨の記載があります。
2025.10.22 16:47
管理人
(No.2)
ご指摘ありがとうございます。

結論から申し上げますと、現在の解説は改正前の判例法理を踏まえておらず、不正確と言えますので、早期に解説の改善を検討させていただきます。

改正前の民法においては遺留分の対象となる贈与は条文上1年以内でしたが、特別受益（§903）が準用されていました。この点について判例では「相続開始よりも相当以前にされたものであって、その後の時の経過に伴う社会経済事情や相続人など関係人の個人的事情の変化をも考慮すると、減殺請求を認めることが右相続人に酷であるなどの特段の事情のない限り、遺留分減殺請求の対象となる」とされていたことを確認しました（最判平10.3.14）。

民法改正により、相続に対する特別受益の贈与に関しては10年以内まで含める規定が追加されました。これは、もともと相続人に対する特別受益に該当する贈与は遺留分に含む取扱いだったところ、上記の判例法理が明文化されたものだと理解しました。つまり、10年という期間制限ができただけで、民法改正前と後では実質的な取扱いの違いはないということですね。
2025.10.23 00:11
ななしのごんべえさん
(No.3)
早速、ご返信頂きありがとうございます。
解答結果には直接影響を与える記載ではないにもかかわらず、ご対応も頂けるということで大変感動しております。
遺留分はただでさえ、分かりにくかったですが、改正法の知識と混乱してさらに混迷を深めております。こちらのサイトを活用して知識の定着化を図りたいと思っておりますので、これからもどうかよろしくお願いいたします。
2025.10.23 09:14

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