2016年9月試験 基礎編 問5 遺族厚生年金

ともさん
(No.1)
2016年9月試験 基礎編 問5 選択肢1について質問があります。
【選択肢1】
残された遺族がAさんと同居して生計維持関係にあった妻(35歳)のみで、かつ、Aさんの死亡が業務上の理由によるものであり、妻に労働基準法の規定による遺族補償が支給される場合、死亡の日から6年間、妻に対する遺族厚生年金の支給が停止される。

【解説】
適切。遺族厚生年金は、労働基準法上の規定により遺族補償の支給(労災保険からではなく勤務先からの支給のこと)が行われるときは、死亡日から6年間支給が停止されます。障害厚生年金も同様で、労働基準法上の規定により障害補償を受ける権利を取得したときは、その権利取得の日から6年間支給が停止されます(厚年法54条、同64条)。

私の持っているテキストでは、『同一の事由により「遺族基礎年金や遺族厚生年金」の支給と労災保険の保険給付が行われる場合には、労災保険の保険給付が減額調整され、国民年金や厚生年金保険の年金給付は全額支給される。』との記載があります。これは同一の事由により遺族基礎年金と遺族厚生年金の給付が行われる場合は年金給付は全額支給(労災保険は減額調整)されるが、本問のように遺族厚生年金の給付のみの場合は労災保険の保険給付は全額支給され、遺族厚生年金は6年間支給停止になるという理解でよいのでしょうか?
2025.12.05 05:08
管理人
(No.2)
その理解は間違っています。
労働基準法の規定による遺族補償というのは、労災保険からの給付ではなく、事業主が自らの資金から遺族に対して補償を行った場合を指しています。

労働基準法では、遺族補償として平均賃金の1,000日分、または平均賃金180日分×6年間の分割補償(補償を受けるべき者の同意を得た場合に限る)を行う義務を定めています。ただし、労災保険から給付が行われる場合には、事業者は上記の補償義務を免れます。しかしながら、労災保険に頼らずに自ら労働基準法上の補償義務を果たすこともできます。これが「労働基準法の規定による遺族補償」です。

この労働基準法の規定による障害または遺族補償が行われる場合には、国年、厚年からの同給付は6年間停止されます。事業主が従業員に支払う行為を国が止めることはできないため、年金法側の支給停止で調整するということだと思います。
2025.12.05 21:46
ともさん
(No.3)
解説ありがとうございます。①労働基準法による遺族補償  ②労災保険による遺族補償 があるのですね。
FP1級の範囲からは逸脱しそうなので深追いしませんが、理解が深まりました。
2025.12.06 10:05

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