FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問37
問37
農地法等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。
- 個人が市街化区域内にある農地を農地以外のものに自ら転用する場合、その面積規模にかかわらず、あらかじめ農業委員会に届出をしておけば、都道府県知事等の農地転用に関する許可を受ける必要はない。
- 農地を転用する場合において、許可を受ける必要があるにもかかわらず許可を受けずに転用したときは、個人の場合は3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処され、法人の場合は1億円以下の罰金に処される。
- 法人が農地所有適格法人に該当するためには、役員の過半が農業の常時従事者であり、かつ、その常時従事者である役員の過半が農作業に従事していなければならない。
広告
正解 4
問題難易度
肢17.6%
肢221.8%
肢313.3%
肢457.3%
肢221.8%
肢313.3%
肢457.3%
分野
科目:E.不動産細目:3.不動産に関する法令上の規制
解説
- 適切。相続や時効取得、法人の合併等により農地を取得する場合は農業委員会の許可は不要です(農地法3条1項12号)。しかし、相続により農地を取得した者は、概ね10か月以内に農業委員会にその旨を届出しなければなりません(農地法3条の3)。個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。(2022.1-38-1)個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。(2021.1-38-4)個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。(2019.9-39-1)個人が農地の所有権を相続により取得した場合、当該権利を取得したことを知った時点からおおむね10カ月以内に、農業委員会にその旨を届け出なければならない。(2017.9-39-4)
- 適切。市街化区域に所在する農地を転用する場合には、農業委員会へ届け出れば、都道府県知事の許可は不要となります。転用する面積規模に制限はありません(農地法4条1項8号)。市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。(2024.9-37-1)市街化区域内の農地において農業者が農業の用に供する堆肥舎や農機具等収納施設を建築する目的で行う開発行為は、その規模にかかわらず、都道府県知事等による開発許可を受ける必要はない。(2024.5-36-3)市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。(2022.1-38-2)市街化調整区域内の農地を駐車場の用地として自ら転用する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。(2022.1-38-3)市街化区域内にある農地を物流倉庫の用地として転用する目的で譲渡する場合、その面積が3,000㎡以上のものは都道府県知事等の許可を受けなければならないが、3,000㎡未満のものは、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。(2022.1-38-4)農業者である個人が、所有する市街化区域内の農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、その面積規模にかかわらず、原則として、農地法第3条に基づく農業委員会の許可を受ける必要がある。(2021.1-38-1)農業者である個人が、所有する市街化区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第4条に基づく都道府県知事等の許可を受ける必要はない。(2021.1-38-2)
- 適切。農地法に定める許可を受けずに、農地の転用を行った者、不正手段により許可を受けた者は、3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます(農地法64条1号)。法人が違反した場合は1億円以下の罰金刑となります(農地法67条1号)。
- [不適切]。農地所有適格法人となるためには、その法人の常時従事者たる構成員が理事等の数の過半を占めていることが必要です。そして、役員または農場責任者等のうち1人以上が、その法人の農作業に1年間に60日以上従事していなければなりません(農地法2条3項、同4項、規則8条)。本肢は旧農地法で規定されていた「農業生産法人」の要件ですので誤りです。
2016年(平成28年)3月31日以前の農業生産法人の要件では、本肢の記述通り、役員の過半が農業の常時従事者であり、その常時従事者である役員の過半が農作業に従事していることが要件となっていました。
広告