FP1級過去問題 2024年9月学科試験 問37

問37

農地法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。
  2. 市街化区域内にある農地を物流倉庫の用地として転用する目的で譲渡する場合、その面積が3,000㎡以上のものは都道府県知事等の許可を受けなければならないが、3,000㎡未満のものはあらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。
  3. 農業者である個人が、所有する市街化区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、都道府県知事等の許可を受ける必要はない。
  4. 農業者である個人が、自らの耕作の事業のための農業用倉庫を建設する目的で、市街化調整区域内にある農地を取得する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はない。

正解 3

問題難易度
肢123.5%
肢27.4%
肢353.0%
肢416.1%

解説

  1. 不適切。農地を他の農業者に農地として譲渡(権利移動)する場合、農業委員会による3条許可を受ける必要があります。市街化区域内であっても、4条許可、5条許可のように農業委員会への届出により許可不要になる特例はありません。
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    市街化区域内の農地において農業者が農業の用に供する堆肥舎や農機具等収納施設を建築する目的で行う開発行為は、その規模にかかわらず、都道府県知事等による開発許可を受ける必要はない。2024.5-36-3
    市街化区域内にある農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。2022.1-38-2
    市街化調整区域内の農地を駐車場の用地として自ら転用する場合、都道府県知事等の許可を受ける必要はなく、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。2022.1-38-3
    市街化区域内にある農地を物流倉庫の用地として転用する目的で譲渡する場合、その面積が3,000㎡以上のものは都道府県知事等の許可を受けなければならないが、3,000㎡未満のものは、あらかじめ農業委員会に届け出れば足りる。2022.1-38-4
    農業者である個人が、所有する市街化区域内の農地を他の農業者に農地として譲渡する場合、その面積規模にかかわらず、原則として、農地法第3条に基づく農業委員会の許可を受ける必要がある。2021.1-38-1
    農業者である個人が、所有する市街化区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第4条に基づく都道府県知事等の許可を受ける必要はない。2021.1-38-2
    個人が市街化区域内にある農地を農地以外のものに自ら転用する場合、その面積規模にかかわらず、あらかじめ農業委員会に届出をしておけば、都道府県知事等の農地転用に関する許可を受ける必要はない。2016.9-37-2
  2. 不適切。市街化区域に所在する農地を転用目的で取得等する場合には、あらかじめ農業委員会へ届け出れば、都道府県知事の許可は不要となります。転用する面積規模に制限はありません(農地法5条1項6号)。
  3. [適切]。農地を転用する場合、原則として都道府県知事等の許可が必要です。ただし、市街化区域内の農地については、あらかじめ農業委員会に届出をすれば、都道府県知事による4条許可は不要となります(農地法4条1項7号)。
    農業者である個人が市街化区域内の農地を耕作する目的で当該農地の所有権を取得する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第3条に基づく農業委員会の許可を受ける必要はない。2023.1-37-4
    農業者である個人が、自らの耕作の事業のための農業用倉庫を建設する目的で、市街化調整区域内の農地を取得する場合、農地法第5条に基づく都道府県知事等の許可を受ける必要はない。2021.1-38-3
    個人が所有する市街化調整区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、原則として、農業委員会の許可を受けなければならない。2019.9-39-2
    個人が所有する市街化区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、農地法第4条に基づく許可を受ける必要はない。2019.1-37-2
    個人が所有する市街化区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、その面積規模にかかわらず、あらかじめ農業委員会に届け出れば、原則として、農地法第4条に基づく許可を受ける必要はない。2018.1-37-3
    個人が市街化区域内の農地を耕作する目的で当該農地の所有権を取得する場合、あらかじめ農業委員会に届け出れば、原則として、農地法第3条に基づく許可を受ける必要はない。2017.9-39-2
    個人が所有する市街化調整区域内の農地を駐車場用地として自ら転用する場合、その面積規模にかかわらず、原則として、農地法第4条に基づく許可を受ける必要がある。2017.9-39-3
    個人がその住所のある市町村の区域外にある農地の所有権を取得する場合には、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない。2015.9-38-1
    農地法では、市街化区域内にある農地を賃貸マンション用地として自ら転用する場合、その面積規模にかかわらず、あらかじめ農業委員会に届出をしておけば、都道府県知事の許可を受ける必要はない。2015.1-37-4
  4. 不適切。市街化調整区域内にある農地を農地以外に転用する目的で取得等する場合、都道府県知事による5条許可を受ける必要があります。許可不要の例外とされるのは法律の規定に基づき公共公益のために取得される場合に限られるので、農業用倉庫の建設が目的であっても許可の対象となります。
    農業者である個人が、自己が所有する農地に農作物の育成の事業のための農業用施設を建設する場合、 施設に必要な敷地面積が200㎡未満であるときは、農地法第4条に基づく都道府県知事等の許可を受ける必要はない。2023.1-37-3
したがって適切な記述は[3]です。