FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問42
問42
贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。- 定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、贈与税額の計算上、定期金に関する権利の価額が贈与税の課税価格となる。
- 負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。
- 負担付贈与における贈与者は、その負担の限度において売主と同じく担保の責任を負い、その性質に反しない限り双務契約に関する民法の規定が準用される。
- 死因贈与とは、贈与者の死亡によってその効力を生じる贈与であり、その性質に反しない限り遺贈に関する民法の規定が準用される。
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正解 2
問題難易度
肢17.9%
肢275.9%
肢39.7%
肢46.5%
肢275.9%
肢39.7%
肢46.5%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:1.贈与と法律
解説
- 適切。定期贈与は、「毎年100万円ずつ10年間にわたって贈与する」などのように定期的に贈与をすることを約する契約です。定期贈与契約をした場合、契約のあった年に定期金給付契約に基づく定期金に関する権利の贈与を受けたものとして、その定期金に関する権利の価額が贈与税の課税対象となります。贈与税の課税価格は、有期定期金、無期定期金、終身定期金などの違いによって異なりますが、贈与を受ける総額がベースとなります。定期贈与とは、定期の給付を目的とする贈与であり、受贈者が死亡した場合は、その相続人に定期の給付を受ける権利が承継される。(2024.9-42-1)定期贈与契約は、贈与者または受贈者の死亡により、その効力を失う。(2021.9-42-1)
- [不適切]。負担付贈与契約とは、受贈者に一定の債務を負担させることを条件にした財産の贈与をいいます。
第三者などに対する債務の履行や、第三者に対する労務の提供などを条件にして財産を贈与する例のように、第三者がその負担からの利益を受ける負担付贈与契約も可能です。このとき、その負担が第三者の利益に帰すときは、第三者は負担額に相当する金額を贈与により取得したことになります。負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、受贈者の負担によって利益を受ける者は、贈与者以外の第三者とすることができる。(2024.9-42-2)負担付贈与とは、受贈者に一定の給付をなすべき義務を負わせる贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2024.1-42-3)負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2019.9-42-1)負担付贈与契約とは、受贈者に一定の負担を課す贈与であり、その受贈者の負担から利益を受ける者は贈与者に限られる。(2015.10-42-3) - 適切。負担付贈与は、贈与者と受贈者がともに債務を負うので、その性質に反しない限り、民法の双務契約に関する規律が適用されます。よって、売買契約などと同様に贈与者は負担の限度において受贈者に対する契約不適合担保責任を負います。
- 適切。死因贈与は、贈与者の死亡を効力発生の条件とする贈与契約なので、その性質に反しない限り、民法の遺贈に関する規律が適用されます。ただし、遺言能力、遺言方式、遺贈の承認・放棄に関する規定は適用されません。
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