FP1級過去問題 2024年1月学科試験 問36
問36
建築基準法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 建築基準法の改正により、現に存する建築物が改正後の建築基準法の規定に適合しない部分を有することになった場合、当該建築物は建築基準法上の違反建築物となる。
- 建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものについては、建築基準法上の道路となり、その中心線からの水平距離で4m後退した線が当該道路の境界線とみなされる。
- 建築物が防火地域および準防火地域にわたる場合において、当該建築物が防火地域外において防火壁で区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。
- 建築主は、建築確認の申請に対して建築主事または指定確認検査機関が行った処分に不服がある場合、都道府県知事に対して審査請求を行うことができる。
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正解 3
問題難易度
肢17.0%
肢210.8%
肢347.9%
肢434.3%
肢210.8%
肢347.9%
肢434.3%
分野
科目:E.不動産細目:3.不動産に関する法令上の規制
解説
- 不適切。建築基準法の改正後の規定は、法が施行された時点で存在する建築物や敷地には適用されません。したがって、法改正により現存する建物が建築基準法の規定に適合しなくなった場合でも、違反建築物には当たりません(建築基準法3条2項)。例えば、現在でも多くの建物が2項道路のセットバック部分を敷地としています。これらは現行の建築基準法の規定には適合していないものの、違反ではないので建替えが必要となるということはありません。
- 不適切。4mではありません。都市計画区域や準都市計画区域が指定されたことにより、または条例の制定や改正により建築基準法の集団規定が適用されるようになったとき、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは建築基準法上の道路となります。この幅員4m未満の道を「2項道路」といい、その道路の中心線から2m後退した線が道路と敷地の境界線とみなされます(建築基準法42条2項)。建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは、建築基準法上の道路となり、原則として、その中心線からの水平距離2mの線が当該道路の境界線とみなされる。(2023.1-38-3)建築基準法施行後に都市計画区域に編入された時点で、現に建築物が立ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものは建築基準法上の道路となり、原則として、当該建築物の敷地との境界部分が、その道路の境界線とみなされる。(2022.1-37-3)建築物の敷地が建築基準法第42条第2項により特定行政庁の指定を受けた道路に接する場合、原則として、敷地と接する境界線から敷地の側に水平距離2m後退した線が、当該道路の境界線とみなされる。(2019.9-38-4)建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定したものについては、建築基準法上の道路となり、当該建築物の敷地との境界部分が当該道路の境界線とみなされる。(2015.9-37-3)建築基準法の集団規定が適用された際に、現に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道は、特定行政庁の指定がなくても、建築基準法上の道路とみなされる。(2015.1-38-1)
- [適切]。建築物が防火地域と準防火地域にわたる場合、より厳しい防火地域の規制が建築物全体に適用されることになりますが、その建築物が防火地域外において防火壁で区画されているときは、準防火地域内の部分は、準防火地域の建築物に関する規定のままで適用されます(建築基準法65条2項)。防火壁があれば、そこで延焼は止まるので、防火壁外の部分については厳しい規制を適用する必要はないためです。建築物が防火地域および準防火地域にわたる場合において、当該建築物が防火地域外において防火壁で区画されているときは、その防火壁外の部分については、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。(2017.9-38-2)
- 不適切。都道府県知事ではありません。建築基準法令の規定による処分について不服がある場合、市町村または都道府県の建築審査会に対して審査請求を行います。さらに、建築審査会の採決に不服がある場合は、国土交通大臣に再審査請求ができることになっています(建築基準法94条)。
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