FP1級過去問題 2024年1月学科試験 問44
問44
相続税における課税財産に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、相続人は日本国籍と国内住所を有する個人であり、記載のない事項については考慮しないものとする。- 被相続人が死亡し、被相続人に支給されるべきであった退職金の支給額が被相続人の死亡後3年以内に確定したが、3年経過した後に退職金が支給された場合、その退職金は相続税の課税対象とならない。
- 被相続人が受け取るべきであった給与が、被相続人の死亡日から10日後に支給された場合、その給与は本来の相続財産として相続税の課税対象となる。
- 被相続人が受け取るべきであった賞与の額が、被相続人の死亡日から2カ月後に確定して支給された場合、その賞与は本来の相続財産として相続税の課税対象となる。
- 退職年金を受給している者の死亡により、その相続人が当該年金を継続して受給することとなった場合、当該年金の受給に関する権利は、その相続人が相続または遺贈により取得したものとみなされ相続税の課税対象となる。
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正解 1
問題難易度
肢166.9%
肢25.8%
肢34.3%
肢423.0%
肢25.8%
肢34.3%
肢423.0%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
- [不適切]。被相続人に支給されるべきであった退職手当金のうち、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについては、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。支給日が死亡後3年経過した後であっても、支給確定日が3年以内であれば相続税の課税対象となります(相基通3-30)。なお、死亡から3年を超えた後に支給が確定したものについては、遺族の一時所得として所得税の課税対象となります(所基通34-2)。
- 適切。被相続人に支給されるべきであった給与が、相続開始後に支給された場合、本来の相続財産として相続税の課税対象となります(相基通3-33)。よって、死亡日から10日後に支給された被相続人の給与は、相続税の課税対象です。この給与は、所得税では非課税になるため、源泉徴収の対象外となります。
- 適切。被相続人に支給されるべきであった賞与が、相続開始後に支給された場合、本来の相続財産として相続税の課税対象となります(相基通3-32)。よって、死亡日から2カ月後に確定して支給された賞与は、相続税の課税対象です。この賞与は、所得税では非課税になるため、源泉徴収の対象外となります。
- 適切。年金を受給していた被相続人が死亡し、その年金受給権が継続受取人に引き継がれた場合、定期金に関する権利を相続・遺贈により取得したものとみなされ相続税の課税対象となります(相続税法3条1項6号)。したがって、本肢の年金の受給に関する権利は相続税の課税対象となります(相基通3-29)。
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