FP1級過去問題 2014年1月学科試験 問47
問47
相続税法上の相続財産等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、相続人は日本国籍と国内住所を有する個人であり、相続財産はすべて日本国内にあるものとする。- 契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、被相続人の子で相続の放棄をした者が受け取った死亡保険金は、保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。
- 契約者(=保険料負担者)および被保険者が被相続人である生命保険契約において、被相続人の子が死亡保険金のほかに、払戻しによる前納保険料を受け取った場合、当該前納保険料は相続税の課税対象となる。
- 被相続人の死亡により相続人に支給される退職手当金は、死亡後3年以内にその支給が確定した場合であっても、実際の支給が死亡後3年を経過すれば、相続税の課税対象とはならず、一時所得として所得税の課税対象となる。
- 被相続人の死亡により相続人に支給される弔慰金は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、被相続人の死亡当時における普通給与の3年分に相当する金額は、相続税の課税対象とならない。
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正解 3
問題難易度
肢114.6%
肢211.8%
肢361.2%
肢412.4%
肢211.8%
肢361.2%
肢412.4%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:4.相続と税金
解説
- 適切。死亡保険金の非課税金額の規定は、相続人が死亡保険金を取得した場合に適用されます。このため、相続を放棄した者には本規定の適用はありません。相続を放棄した者が受け取った死亡保険金は、本規定の適用上なかったものとされます(相基通12-8)。契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険において、子が相続の放棄をした場合、当該死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができない。(2022.5-46-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険において、死亡保険金とともに支払われる積立配当金は、相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。(2022.5-46-2)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険契約において、子が相続の放棄をした場合であっても、当該死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができる。(2021.9-48-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人、死亡保険金受取人を被相続人の子とする終身保険契約において、子が死亡保険金のほかに、払戻しによる前納保険料を受け取った場合、当該前納保険料は相続税の課税対象となる。(2021.9-48-2)相続の放棄をした被相続人の配偶者が、契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金を受け取るなど、遺贈により取得した財産があるときは、本制度の適用を受けることができる。(2017.9-47-3)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人となっている相続人に対し、死亡保険金とともに支払われる積立配当金の額は、相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。(2016.9-46-1)契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約の死亡保険金受取人となっている相続人が、遺産分割により死亡保険金以外の財産をいっさい取得しなかった場合、その者が受け取る当該保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定は適用されない。(2016.9-46-4)
- 適切。前納保険料が残っている間に死亡した場合には死亡保険金とともに返還されます。この前納保険料はみなし相続財産とされるので相続税の課税対象になり、死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることができます。その他、配当金、割戻金、未経過保険料についても本規定の適用対象となります(相基通3-8)被相続人が契約者(=保険料負担者)および被保険者である生命保険において、死亡保険金の額から契約者貸付金の額が控除された保険金を相続人が受け取った場合、控除された契約者貸付金の額を当該保険金に加算した金額に相当する保険金を相続または遺贈により取得したものとみなされる。(2023.9-46-4)
- [不適切]。被相続人の死亡によって、被相続人に支給されるべきであった退職手当金のうち、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものについては、相続財産とみなされて相続税の課税対象となります。支給日が死亡後3年経過した後であっても、支給確定日が3年以内であれば相続税の課税対象となります。なお、死亡から3年を超えた後に支給が確定したものについては遺族の一時所得として所得税の課税対象となります(相続税法3条1項2号)。被相続人の死亡により相続人に支給される退職手当金は、死亡後3年以内にその支給額が確定した場合であっても、実際の支給が死亡後3年を経過した場合、当該退職手当金は相続税の課税対象とはならず、当該相続人の一時所得の収入金額に該当する。(2022.5-46-3)被相続人の死亡により相続人に支給される退職手当金は、死亡後3年以内にその支給額が確定した場合、実際の支給が死亡後3年を経過した後であっても、当該退職手当金は相続税の課税対象となる。(2021.9-48-3)
- 適切。被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、弔慰金は、その死亡当時の普通給与の3年分まで非課税財産となります(相基通3-20)。被相続人の死亡により相続人に支給される弔慰金は、被相続人の死亡が業務上の死亡である場合、退職手当金等に該当すると認められるものを除き、被相続人の死亡当時における普通給与の3年分に相当する金額までは相続税の課税対象とならない。(2021.9-48-4)被相続人の死亡が業務上の死亡でない場合に、相続人が被相続人の雇用主から受け取った弔慰金が被相続人の死亡当時の普通給与の6カ月分に相当する額以下であるときは、その全額が本規定の対象となる。(2020.9-47-2)
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