FP1級過去問題 2025年1月学科試験 問46

問46

下記は、2026年1月10日に死亡したAさんの親族関係図である。Aさんの相続に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。 なお、孫Fさんおよび孫Gさんは、Aさんの普通養子(特別養子縁組以外の縁組による養子)であり、妻Bさん、長男Cさん、孫Fさん、孫Gさん、母Iさんは、Aさんから相続または遺贈により財産を取得し、相続税額が算出されるものとする。また、長女Dさんは、相続の放棄をしており、財産を取得しておらず、二女Eさんおよび父Hさんは、Aさんの相続開始前に死亡している。
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  1. 遺産に係る基礎控除額は、6,000万円である。
  2. 相続税額の2割加算の対象となる者は、孫Fさんおよび母Iさんの2人である。
  3. 孫Gさんの法定相続分は、4分の1である。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 0(なし)

正解 2

問題難易度
肢132.3%
肢245.2%
肢35.2%
肢417.3%

解説

  1. 適切。遺産に係る基礎控除額では、放棄がなかったものとして法定相続人の数をカウントします。放棄がなかったときの法定相続人は、妻Bさん・長男Cさん・長女Dさん・孫Fさん・孫Gさんの5人です。
    子がいる場合、相続税計算上の法定相続人の数に算入できる養子の数は1人までに制限されますが、代襲相続者である孫Gさんは実子として扱うので、孫Fさんも法定相続人の数に含めることができます。また、孫Gさんは代襲相続と養子で二重相続資格者となりますが、遺産に係る基礎控除額の計算における法定相続人の数は、二重相続資格者も1人と数えます。
    したがって法定相続人の数は5人、遺産に係る基礎控除額は「3,000万円+600万円×5人=6,000万円」です。
    遺産に係る基礎控除額は、6,000万円である。2022.5-47-a
    遺産に係る基礎控除額は、4,800万円である。2022.1-48-a
  2. 不適切。相続税額の2割加算の対象となるのは、被相続人の配偶者、父母、子以外の人と、代襲相続人ではない孫養子です。配偶者と子以外で財産を取得した人の適用可否は次のとおりです。
    • 母Iさん 父母に当たるので2割加算の対象外
    • 孫Fさん 代襲相続人ではない孫養子なので2割加算の対象
    • 孫Gさん 代襲相続人の孫養子なので2割加算の対象外
    したがって、2割加算の対象となるのは孫Fさんだけです。
    母Gさんは、相続税額の2割加算の対象ではない。2022.9-46-b
    相続税額の2割加算の対象となる者は、孫Fさん、孫Gさん、弟Hさんの3人である。2022.5-47-b
    相続税額の2割加算の対象となる者は、孫Eさん、孫Fさんの2人である。2022.1-48-b
    相続税額の計算上、相続税額の2割加算の対象となる者は、孫Eさん、弟Gさんの2人である。2021.9-47-b
  3. 適切。法定相続人となる子は長男Cさん・孫Fさん・孫Gさんの3人です。ただし、孫Gさんは二女Eさんの代襲相続者かつAさんの普通養子の「二重相続資格者」なので、法定相続分も子2人分となります。孫Gさんが2、他2人の子が1となるように子の相続分1/2を「2:1:1」で分けるので、各人の法定相続分は次のとおりです。
    • 妻Bさん 1/2
    • 長男Cさん・孫Fさん 1/2×1/4=1/8
    • 孫Gさん 1/2×1/4×2=1/4
    孫Fさんの法定相続分は、4分の1である。2022.9-46-a
    長女Dさんの法定相続分は、8分の1である。2022.5-47-c
    弟Gさんの法定相続分は、4分の1である。2022.1-48-c
    孫Fさんの法定相続分は、5分の2である。2021.9-47-a
したがって適切なものは「2つ」です。