FP1級過去問題 2025年5月学科試験 問16
問16
わが国の経済指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 内閣府が公表する消費者態度指数は、消費者マインドを示す指標であり、暮らし向きに関する消費者の今後半年間の見通しなどを調査して作成される。
- 内閣府が公表する景気動向指数において、CI(コンポジット・インデックス)は、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測る指標であり、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。
- 経済産業省が公表する鉱工業指数は、鉱工業製品を生産する国内の事業所における生産、出荷、在庫に係る諸活動の動向を示す指標であり、このうち生産指数および鉱工業用生産財出荷指数は、景気動向指数の先行系列に採用されている。
- 総務省が公表する完全失業率は、15歳以上の人口のうち、働く意思と能力がありながら就業の機会が得られない状態にある者の割合であり、景気動向指数の遅行系列に採用されている。
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正解 1
問題難易度
肢136.7%
肢217.4%
肢319.4%
肢426.5%
肢217.4%
肢319.4%
肢426.5%
分野
科目:C.金融資産運用細目:1.マーケット環境の理解
解説
- [適切]。消費者態度指数とは、消費動向調査の結果を基に、暮らし向き、収入の増え方、雇用環境、耐久消費財の買い時判断の4項目の消費者意識を指数化したもので、内閣府が毎月公表しています。消費者態度指数は、消費者マインドを示す指標であり、消費者の「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」に関する今後半年間の見通しに基づき作成され、毎月公表される。(2019.9-16-2)
- 不適切。景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。
- コンポジット・インデックス
- 景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的とする指数。一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面となる。
- ディフュージョン・インデックス
- 景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的とする指数。景気拡張局面では50%を上回り、後退局面では50%を下回る傾向がある。
景気動向指数のCI(コンポジット・インデックス)は、主として景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としており、景気の拡張局面では50%を上回り、景気の後退局面では50%を下回る傾向がある。(2021.9-16-1)景気動向指数において、一般に、CI(コンポジット・インデックス)の一致指数が上昇しているときは景気の拡張局面であり、一致CIの動きと景気の転換点はおおむね一致する。(2015.9-16-1) - 不適切。先行系列ではありません。鉱工業指数は、鉱工業製品(496品目)を生産する国内の事業所における生産の状況等(数量・重量・金額等)を経済産業省が調査し公表している指数です。鉱工業指数のうち、「在庫率指数」が先行系列、「生産指数」と「出荷指数」一致系列、「在庫指数」が遅行系列として採用されています。 経済産業省が公表する鉱工業生産指数は、鉱工業生産活動の全体的な水準の推移を示す指標であり、景気動向指数の先行系列に採用されている。(2018.9-16-2)経済産業省が公表する鉱工業指数における鉱工業用生産財出荷指数、耐久消費財出荷指数、最終需要財在庫指数は、いずれも景気動向指数の一致系列に採用されている。(2017.1-16-2)
- 不適切。完全失業率は、総務省が毎月発表している指標で、15歳以上の労働力人口(就業者+完全失業者)のうち、職がなく、求職活動をしている完全失業者が占める割合です。景気動向指数の遅行系列に採用されています。
完全失業者とは、①仕事がなくて仕事をしていない、②仕事があれば直ぐに就職できる、③求職活動をしている、という3つの条件全てを満たす人で、働く意思と能力があったとしてもこれらを充足しない通学者、家事従事者、高齢者などの非労働力人口は母数から除かれています。完全失業率は、15歳以上の人口のうち、働く意思と能力がありながら就業の機会が得られない状態にある者の割合であり、景気動向指数において遅行系列に採用されている。(2019.9-16-4)厚生労働省が公表する有効求人倍率と総務省が公表する完全失業率は、いずれも景気動向指数の遅行系列に採用されている。(2018.9-16-4)総務省が公表する家計消費支出は、家計が1カ月間に行った消費の前年同月比割合を示す指標であり、景気動向指数の遅行系列に採用されている。(2014.1-16-1)
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