FP1級過去問題 2025年9月学科試験 問34

問34

不動産登記法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 分筆または合筆の登記は、表題部所有者または所有権の登記名義人以外の者は、申請することができない。
  2. 相互に接続していない土地や地目が相互に異なる土地の合筆の登記は、することができない。
  3. 合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の設定の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。
  4. 地目について変更があったときは、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その変更があった日から1カ月以内に、当該地目に関する変更の登記を申請しなければならない。

正解 3

問題難易度
肢116.3%
肢25.9%
肢367.3%
肢410.5%

解説

  1. 適切。分筆・合筆の登記の申請は、登記上の所有者(表題部所有者・所有権の登記名義人)だけができます。登記官には申請者が真の所有者であることの確認が難しいため、登記上の所有者のみを扱うことにしています(不登法39条)。
  2. 適切。合筆の登記は以下の場合にはすることができません(不登法41条)。
    1. 相互に接続していない土地
    2. 地目または地番区域が相互に異なる土地
    3. 表題部所有者または所有権の登記名義人が相互に異なる土地
    4. 表題部所有者または所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地
    5. 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地
    6. 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地
    1筆の土地とは「1本の境界線」で囲まれた土地の区画をいうので、離れている場合は合筆できません。また、一つの土地には1つの地目しか登記できないため、地目が異なる土地の合筆の登記はできません。
  3. [不適切]。合筆は、2筆以上の隣接する土地を1つの土地として法的に合体させることですが、所有権の登記以外の権利(抵当権など)が登記されている土地が含まれる場合は合筆することはできません。抵当権者の承諾書があっても同様です。合筆後の土地の一部を対象とする権利が生じることとなり、権利の公示が煩雑になってしまうためです(不登法41条)。
    合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の設定の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。2022.5-34-3
    合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。2021.9-34-2
    合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。2017.1-34-2
    合筆しようとしている二筆の土地のうち、一筆に抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付しても、合筆の登記をすることはできない。2015.10-34-2
    合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。2014.9-34-2
    合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆に抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付しても、合筆の登記をすることはできない。2014.1-34-3
  4. 適切。表題部に記載されている土地の地目・地積、建物の物理的状況に変更があったときは、その変更があった日から1カ月以内に、登記上の所有者(表題部所有者・所有権の登記名義人)は当該内容について変更の登記の申請をしなければなりません(不登法37条)。
    登記されている所有権の登記名義人の住所について変更があったときは、その変更があった日から1カ月以内に、当該住所に関する変更の登記を申請しなければならない。2021.5-34-3
    地目が異なる二筆の土地については、当該土地が接しており、表題部所有者または所有権の登記名義人が同一であっても、合筆の登記はすることができない。2020.9-34-1
    地目または地積について変更があったときは、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その変更があった日から1カ月以内に、当該地目または地積に関する変更の登記を申請しなければならない。2019.5-34-3
したがって不適切な記述は[3]です。