FP1級過去問題 2020年9月学科試験 問45
問45
民法における遺言に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 遺言者の相続開始前に受遺者が死亡していた場合に、受遺者に子があるときは、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していない限り、原則として、その子が受遺者たる地位を承継する。
- 自筆証書遺言を作成した遺言者が、その遺言内の記載について加除その他の変更を加える場合、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
- 公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要であるが、遺言者の兄弟姉妹は、遺言者の推定相続人または受遺者でない者等であっても、この証人になることはできない。
- 遺贈義務者が、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認または放棄をすべき旨の催告をした場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈の放棄をしたものとみなされる。
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正解 2
問題難易度
肢112.4%
肢254.4%
肢320.2%
肢413.0%
肢254.4%
肢320.2%
肢413.0%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 不適切。遺言者の死亡以前に受遺者が死亡していたときは、推定相続人の代襲者その他の者に相続させる意思を有していた等の特段の事情のない限り、その遺贈の効力を生じません(民法923条、最判平23.2.22)。よって、受遺者の地位は当然には受遺者の子に承継されません。遺言者の相続開始前に受遺者が死亡していた場合に、受遺者に子があるときは、遺言者がその遺言に別段の意思を表示していない限り、原則として、その子が受遺者たる地位を承継する。(2024.9-45-3)
- [適切]。自筆証書遺言について加除その他変更を加える場合、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じません(民法968条3項)。自筆証書遺言を作成した遺言者が、その遺言内の記載について加除その他の変更を加える場合、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。(2022.5-44-2)
- 不適切。公正証書遺言を作成する場合、2人以上の証人が必要になりますが、次に掲げる者は証人になれません(民法974条)。
- 未成年者
- 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
- 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要であるが、遺言者の推定相続人および受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族は、この証人になることはできない。(2022.5-44-3)公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要であるが、遺言者の推定相続人および受遺者ならびにこれらの配偶者および直系血族は、この証人になることはできない。(2019.1-44-1)公正証書遺言の作成にあたって遺言執行者を指定する場合、遺言者の推定相続人および受遺者を遺言執行者とすることはできない。(2018.1-46-1)公正証書遺言の作成時、遺言者の兄弟姉妹は、遺言者の推定相続人または受遺者でない者であっても、証人となることができない。(2016.1-44-1)公正証書遺言を作成する場合、証人2人以上の立会いが必要であるが、遺言者の推定相続人は、この証人になることはできない。(2014.9-44-3) - 不適切。遺贈の履行義務を負う者は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認または放棄をすべき旨の催告をすることができます。この期間内に受遺者がその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなされます(民法987条)。本肢は「放棄」としているので誤りです。遺贈義務者が、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認または放棄をすべき旨の催告をした場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈の放棄をしたものとみなされる。(2024.9-45-4)
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