FP1級過去問題 2021年9月学科試験 問45(改題)
問45
遺留分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 推定相続人の1人が相続開始前に遺留分の放棄をした場合、その者は、その相続に関して、初めから相続人とならなかったものとみなされる。
- 推定相続人の1人が相続開始前に遺留分の放棄をした場合、他の相続人の遺留分の額は増加する。
- 遺留分を算定するための財産の価額に算入される贈与の範囲は、原則として、相続開始前7年以内に被相続人から贈与を受けた財産(非課税財産を除く)に限られる。
- 遺留分権利者は、受遺者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができるが、受遺者が金銭を準備できない場合、当該受遺者は、裁判所に対して、金銭債務の全部または一部の支払につき、一定期間の猶予を請求することができる。
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正解 4
問題難易度
肢18.9%
肢28.9%
肢318.2%
肢464.0%
肢28.9%
肢318.2%
肢464.0%
分野
科目:F.相続・事業承継細目:3.相続と法律
解説
- 不適切。遺留分放棄の場合、放棄したのは遺留分だけなので相続人であることに変わりはありません。相続放棄とは異なります。
- 不適切。共同相続人の中に遺留分を放棄した者がいても、その放棄は他の相続人の遺留分に影響しません(民法1049条2項)。
- 不適切。遺留分の算定基礎となる相続財産には、相続開始前の10年間に相続人に対してした贈与を加えるのが原則です(相続人以外の者への贈与は相続開始前1年間に限る)。ただし、遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときには10年以上前の贈与についても加算対象となります(民法1044条1項、同3項)。
- [適切]。自己の遺留分を侵害された遺留分権利者は、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを請求することができます(遺留分侵害額請求、民法1046条)。遺留分の請求を受けた者が、すぐにはお金を用意できない場合に、裁判所に支払期限を先に延ばすよう求める申立てを行うことができます。
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