FP1級過去問題 2023年5月学科試験 問32
問32
青色申告法人の欠損金の繰越控除等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人は資本金の額が5億円以上の法人に完全支配されている法人等ではない中小法人等であるものとし、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 欠損金額が生じた事業年度において、法人が青色申告書である確定申告書を提出している場合、その後の各事業年度について白色申告書である確定申告書を提出しても、欠損金の繰越控除の適用を受けることができる。
- 繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。
- 2024年4月1日に開始する事業年度において、資本金の額が1億円以下の法人が繰り越された欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の50%相当額が限度となる。
- 災害により棚卸資産、固定資産等に生じた損失に係る欠損金額がある事業年度において、法人が提出した確定申告書が青色申告書でない場合であっても、その災害による欠損金額に相当する金額を、原則として、その事業年度から10年間にわたって繰り越すことができる。
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正解 3
問題難易度
肢112.0%
肢24.4%
肢365.0%
肢418.6%
肢24.4%
肢365.0%
肢418.6%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
- 適切。青色申告法人の欠損金の繰越控除では、欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、繰越控除を受けることができます。これは所得税の青色申告の繰越控除でも同じです。欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において、連続して確定申告書を提出する必要がある。(2022.1-31-1)欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の各事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、欠損金の繰越控除の適用を受けることができる。(2020.1-32-1)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金額の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければならない。(2015.10-31-1)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金額の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければならない。(2015.9-32-3)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、その翌事業年度以後連続して確定申告書を提出する必要がある。(2014.9-33-1)
- 適切。繰越欠損金が2以上の事業年度において生じている場合、最も古い事業年度において生じた欠損金額から順次損金に算入します。たとえば2019年と2021年に赤字となっている場合、先に2019年分の欠損金額から損金に算入していくということです。繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2022.1-31-2)2015年4月1日に開始した事業年度以後の各事業年度において生じた欠損金額は、2024年4月1日に開始する事業年度において損金の額に算入することができる。(2022.1-31-3)繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2020.1-32-2)2015年4月1日に開始した事業年度以後の各事業年度において生じた欠損金額は、2025年4月1日に開始する事業年度において損金の額に算入することができる。(2020.1-32-3)繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2018.1-32-2)繰越控除の対象となる欠損金額がその事業年度開始日前の2以上の事業年度において生じている場合には、最も新しい事業年度において生じたものから順次損金の額に算入する。(2015.10-31-2)欠損金額の損金算入は、最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2014.9-33-2)
- [不適切]。資本金1億円以下の法人は、損金の額に算入する欠損金額に制限はなく、繰越控除前の所得金額の全額まで損金算入することができます。繰越控除前の所得の金額の50%相当額が損金算入限度額となるのは、中小法人等以外の法人です。資本金の額が1億円以下である普通法人が、2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、当該事業年度の所得の金額の50%相当額が限度となる。(2022.1-31-4)資本金の額が1億円以下である普通法人が2025年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額が限度となる。(2020.1-32-4)資本金が1億円以下の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の80%相当額が限度となる。(2018.1-32-3)資本金が1億円以下の一定の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の80%相当額が限度となる。(2015.10-31-3)資本金が1億円を超える一定の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の50%相当額が限度となる。(2015.9-32-1)
- 適切。法人の有する棚卸資産、固定資産等について災害により生じた損失に係る欠損金額(災害損失欠損金額)がある場合には、その損失の発生した事業年度に青色申告書を提出している・いないにかかわらず、その災害損失欠損金額に相当する金額は、その事業年度から10年間にわたって繰り越して控除することができます。
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