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FP1級過去問題 2015年10月学科試験 問31
問31
青色申告法人の欠損金の繰越控除等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。- 欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金額の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければならない。
- 繰越控除の対象となる欠損金額がその事業年度開始日前の2以上の事業年度において生じている場合には、最も新しい事業年度において生じたものから順次損金の額に算入する。
- 資本金が1億円以下の一定の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の80%相当額が限度となる。
- 資本金が1億円以下の一定の法人は、青色申告書である確定申告書を提出した事業年度において生じた欠損金額について、原則としてその事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し、その事業年度の所得に対する法人税額の全部または一部を還付請求することができる。
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正解 4
問題難易度
肢114.0%
肢25.1%
肢310.9%
肢470.0%
肢25.1%
肢310.9%
肢470.0%
分野
科目:D.タックスプランニング細目:10.法人税
解説
青色申告法人の欠損金の繰越控除に関する出題ポイントは下表のとおりです。
- 不適切。翌年以降は青色申告である必要はありません。欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金額が生じた事業年度において青色申告であれば足り、その後の各事業年度は確定申告書を提出していれば白色申告であっても問題ありません。これは所得税における純損失の繰越控除でも同じです。欠損金額が生じた事業年度において、法人が青色申告書である確定申告書を提出している場合、その後の各事業年度について白色申告書である確定申告書を提出しても、欠損金の繰越控除の適用を受けることができる。(2023.5-32-1)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後において、連続して確定申告書を提出する必要がある。(2022.1-31-1)欠損金額が生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出していれば、その後の各事業年度について提出した確定申告書が白色申告書であっても、欠損金の繰越控除の適用を受けることができる。(2020.1-32-1)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金額の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、かつ、その後の各事業年度について連続して青色申告書である確定申告書を提出していなければならない。(2015.9-32-3)欠損金の繰越控除の適用を受けるためには、欠損金の生じた事業年度において青色申告書である確定申告書を提出し、その翌事業年度以後連続して確定申告書を提出する必要がある。(2014.9-33-1)
- 不適切。新しい事業年度ではありません。繰越欠損金が2以上の事業年度において生じている場合、最も古い事業年度において生じた欠損金額から順次損金に算入します。たとえば2019年と2021年に赤字となっている場合、先に2019年分の欠損金額から損金に算入していくということです。繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2023.5-32-2)繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2022.1-31-2)2015年4月1日に開始した事業年度以後の各事業年度において生じた欠損金額は、2024年4月1日に開始する事業年度において損金の額に算入することができる。(2022.1-31-3)繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2020.1-32-2)2015年4月1日に開始した事業年度以後の各事業年度において生じた欠損金額は、2025年4月1日に開始する事業年度において損金の額に算入することができる。(2020.1-32-3)繰り越された欠損金額が2以上の事業年度において生じたものからなる場合、そのうち最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2018.1-32-2)欠損金額の損金算入は、最も古い事業年度において生じた欠損金額に相当する金額から順次損金の額に算入する。(2014.9-33-2)
- 不適切。80%が限度ではありません。繰越控除される欠損金額の限度は中小法人等とそれ以外で異なり、本肢のように資本金が1億円以下の中小法人等は、繰越控除前の所得金額、つまり100%まで欠損金額を損金に算入できます。これに対して、中小法人等以外の法人は、繰越控除前の所得金額の50%が損金算入の限度額となります。2024年4月1日に開始する事業年度において、資本金の額が1億円以下の法人が繰り越された欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の50%相当額が限度となる。(2023.5-32-3)資本金の額が1億円以下である普通法人が、2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、当該事業年度の所得の金額の50%相当額が限度となる。(2022.1-31-4)資本金の額が1億円以下である普通法人が2025年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額が限度となる。(2020.1-32-4)資本金が1億円以下の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の80%相当額が限度となる。(2018.1-32-3)資本金が1億円を超える一定の法人が2024年4月1日に開始する事業年度において欠損金額を損金の額に算入する場合、損金の額に算入することができる欠損金額は、繰越控除前の所得の金額の50%相当額が限度となる。(2015.9-32-1)
- [適切]。資本金が1億円以下である等の要件を満たす法人は、前期・当期に連続して青色申告をしている等の要件を満たせば、当期に生じた欠損金額をその事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度(≒前事業年度)に繰り戻して、法人税額の還付を受けることができます(欠損金の繰戻し)。資本金が1億円以下の一定の法人は、設立後5年以内において生じた欠損金額がある場合に限り、その欠損金額について、その欠損金額が生じた事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し、その事業年度の所得に対する法人税額の全部または一部を還付請求することができる。(2015.9-32-4)青色申告書である確定申告書を提出する資本金が1億円以下の一定の中小法人等は、各事業年度において生じた欠損金について、原則としてその事業年度開始の日前1年以内に開始した事業年度の所得に繰り戻し、その事業年度の所得に対する法人税額の全部または一部を還付請求することができる。(2014.9-33-3)
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