FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問31

問31

法人税法上の益金および損金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、法人はいずれも内国法人(普通法人)であるものとする。
  1. 法人が事業年度終了の時において売買目的有価証券を有する場合、当該事業年度の所得の金額の計算上、その評価益は益金の額に算入し、その評価損は損金の額に算入する。
  2. 親法人による完全支配関係がある子法人が、親法人から寄附金を受け取った場合、子法人においては受け取った全額を益金の額に算入し、親法人においては支払った全額を損金の額に算入する。
  3. 法人が株式保有割合3分の1超100%未満の法人の株式(関連法人株式等)に係る配当を受け取った場合、その配当額の50%に相当する金額が益金不算入となる。
  4. 法人事業税の中間申告をしていた法人が、確定申告により法人事業税の還付を受けた場合、その還付金は益金不算入となり、還付加算金は益金の額に算入する。

正解 1

問題難易度
肢123.9%
肢27.7%
肢319.7%
肢448.7%

解説

  1. [適切]。売買目的有価証券は決算時に時価による評価替えを行います。その際、帳簿価額との差額は有価証券評価損益として計上し、評価益は税務上の益金に、評価損は損金に算入します(法人税法61条の3)。
  2. 不適切。完全支配関係にある他の内国法人に対して支出した寄附金は、その全額が損金不算入となります(法人税法37条2項)。また寄附金を受領した法人側では、その受贈益の全額が益金不算入となります(法人税法25条の2)。
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    親法人による完全支配関係がある子法人が親法人から寄附金を受け取った場合、子法人においては受け取った全額が益金の額に算入され、親法人においては支払った全額を損金の額に算入することができる。2024.9-31-b
    親法人による完全支配関係がある子法人が親法人から寄附金を受け取った場合、親法人においては、支払った寄附金が法人税法上全額損金算入となり、子法人においては、受け取った寄附金が法人税法上全額益金算入となる。2015.10-32-2
  3. 不適切。受取配当等の益金不算入割合は、配当を行った会社との支配関係に応じて下表のように異なっています。株式保有割合3分の1超100%未満の法人は「関連法人」に該当し、受取配当金の額からその株式に係る負債利子を控除した額が益金不算入となります(法人税法23条1項)。
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    法人が完全支配関係のある法人の株式(完全子法人株式等)に係る配当金を受け取った場合、その配当金は益金不算入の対象となる。2025.1-29-1
    法人が株式保有割合3分の1超100%未満の法人の株式(関連法人株式等)に係る配当を受け取った場合、その額から関連法人株式等に係る負債利子の額を控除した金額が益金不算入となる。2024.1-31-2
    製造業を営むX社が発行済株式の3%を保有するD社から受けた非支配目的株式等に係る配当については、その配当の額の20%に相当する金額が益金不算入となる。2022.5-31-4
  4. 不適切。納付した税金は、何らかの理由により後日返還される場合があります。その際には、元の税額である還付金に加えて、その利息に相当する「還付加算金」も受け取ります。事業税は損金項目であるため、中間事業税が確定申告により一部還付になった場合その還付金の額は翌期の益金に算入します(法人税法26条1項)。還付加算金は単純に利益なので、こちらも益金に算入します。
    法人が法人税の還付を受けた場合、還付加算金は益金の額に算入し、還付金は益金不算入となる。2024.1-31-4
    法人が法人税の還付を受けた場合、その還付された金額は、原則として、還付加算金を除き、益金の額に算入しない。2020.9-30-3
    法人が欠損金の繰戻しにより受けた法人税額の還付金および還付加算金の額は、その全額が益金不算入となる。2019.1-31-2
したがって適切な記述は[1]です。