FP1級過去問題 2016年9月学科試験 問4

問4

老齢厚生年金の繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 老齢厚生年金の繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出と同時に行わなければならない。
  2. 障害基礎年金の受給権者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができず、65歳から障害基礎年金と老齢厚生年金を受給することになる。
  3. 遺族厚生年金を受給している厚生年金保険の被保険者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得し、65歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者である場合、当該受給権者は、退職して厚生年金保険の被保険者資格を喪失後に老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができる。
  4. 加給年金額が加算される老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の額は繰下げ加算額を加算した額とされるが、加給年金額については繰下げしても増額されない。

正解 4

問題難易度
肢14.8%
肢29.0%
肢314.2%
肢472.0%

解説

  1. 不適切。繰下げ支給の申出は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行う必要はなく、片方だけを繰り下げたり別々の時期に繰り下げたりすることができます。同時に行わなくてはならないのは繰上げ支給の申出です。
    寡婦年金を受給していた者は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることはできない。2022.9-4-3
    60歳から寡婦年金を受給していた者は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることはできない。2017.9-4-3
  2. 不適切。他の年金給付の受給権者であるときは、繰下げ支給の申出ができないことがあります。繰下げできない場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で少し異なります。
    老齢基礎年金
    老齢・退職以外を支給事由とする年金給付を受けている
    老齢厚生年金
    障害基礎年金または老齢・退職以外を支給事由とする年金給付を受けている
    老齢厚生年金は、障害基礎年金の受給権者であっても繰下げ支給の申出をすることができるので、本肢は誤りです。
    障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その取得以後、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。2026.1-5-4
    障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。2022.9-5-4
    障害基礎年金の受給権者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができず、65歳から障害基礎年金と老齢厚生年金を受給することになる。2021.5-4-1
    障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。2018.9-6-4
  3. 不適切。65歳以降は、老齢厚生年金と遺族厚生年金の併給が可能ですが、遺族厚生年金の受給権者である場合には老齢厚生年金の繰下げはできません(肢2解説を参照)。
    1958年1月28日生まれの遺族厚生年金を受給している女性が、65歳に達して老齢基礎年金の受給権を取得する場合、67歳に達した月に老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができる。2023.5-5-4
    遺族厚生年金の受給権者が特別支給の老齢厚生年金の受給権を取得した場合は、いずれか一方の年金を選択して受給することになる。2015.9-5-1
  4. [適切]。加給年金額と振替加算額は、繰下げによる増額の対象外です。
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    配偶者の加給年金額が加算される老齢厚生年金を繰り下げて受給したとしても、加給年金額は繰下げによる増額の対象とならない。2025.9-6-1
    配偶者に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金の支給を受けている場合に、当該配偶者が老齢基礎年金の繰上げ支給を請求したときは、加給年金額は加算されなくなる。2024.5-6-2
したがって適切な記述は[4]です。