FP1級過去問題 2021年1月学科試験 問5
問5
社会保険の給付に係る併給調整や支給停止に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。- 特別支給の老齢厚生年金の支給を受けている者が雇用保険の基本手当の支給を受ける場合、求職の申込みをした月の翌月以降、基本手当の支給を受けた日とみなされる日が属する月分については、特別支給の老齢厚生年金は支給停止となる。
- 厚生年金保険の被保険者が、特別支給の老齢厚生年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給を同時に受けることができるときは、特別支給の老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みに加えて、毎月、最大で標準報酬月額の6%相当額が支給停止となる。
- 障害基礎年金の受給権者で65歳到達前に遺族厚生年金の受給権を取得した者は、65歳到達前まではいずれかの年金を選択して受給し、65歳到達以後は障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。
- 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金としてその3分の2相当額と老齢厚生年金としてその2分の1相当額を受給することができる。
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正解 4
問題難易度
肢114.1%
肢28.3%
肢320.3%
肢457.3%
肢28.3%
肢320.3%
肢457.3%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- 適切。雇用保険の基本手当に申込みをしたときは、その翌月から特別支給の老齢厚生年金は支給停止となります(厚生年金保険法附則7条の4)。
- 適切。65歳未満の者が、特別支給の老齢厚生年金と高年齢雇用継続給付を同時に受けている場合には、在職老齢年金の仕組みに加えて、最大で標準報酬月額の6%相当額(61%未満に減収時)が支給停止となります(厚生年金保険法附則7条の5)。
- 適切。65歳以降であれば、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給できます。障害基礎年金の受給者は長時間働いても老齢年金の額が少なく、結果として障害基礎年金を選ぶケースが多くあります。この場合、厚生年金保険料は払い損になってしまいます。併給が可能となっているのは、障害を抱える方の就労を評価し、適切に年金給付に反映させるためです。
- [不適切]。65歳以上の人が遺族厚生年金と老齢基礎年金および老齢厚生年金を併給する場合、受け取れる年金は、次のいずれか多い額となります。
- 老齢基礎年金+(遺族厚生年金×2/3+老齢厚生年金×1/2)
- 老齢基礎年金+遺族厚生年金
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