FP1級過去問題 2022年9月学科試験 問38
問38
建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。- 建物価格の2分の1以下に相当する共用部分の滅失があった場合、滅失した共用部分を復旧する旨の集会の決議や建替え決議がないときは、各区分所有者は共用部分を復旧することができない。
- 規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各3分の2以上の多数による集会の決議が必要であり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。
- 形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、原則として、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。
- 集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による建替え決議がなされた場合、決議に賛成した区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者から、区分所有権および敷地利用権を時価で買い取らなければならない。
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正解 3
問題難易度
肢15.0%
肢214.7%
肢371.7%
肢48.6%
肢214.7%
肢371.7%
肢48.6%
分野
科目:E.不動産細目:3.不動産に関する法令上の規制
解説
- 不適切。滅失の程度が建物価格の2分の1以下ならば、各区分所有者が単独で復旧できるというのが原則なので、集会の決議が必要というわけではありません。ただし、共用部分の復旧について復旧工事の着手前に集会の決議があった場合には、決議の内容が優先されます(区分所有法61条1項)。また、規約に別段の定めがある場合はその定めが最優先となります。
なお、2分の1を超える滅失では区分所有者単独で復旧することができず、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議(特別決議)が必要となります。建物の一部が滅失し、滅失部分が建物価格の2分の1を超える場合、滅失した共用部分の復旧を行うためには、「建替え決議」と同様に、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による決議が必要である。(2014.1-38-4) - 不適切。規約の設定・変更・廃止には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の決議(特別決議)が必要となります。規約の設定・変更・廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、少数者の利益を保護するためにその区分所有者の承諾を得ることが必要となっています(区分所有法31条)。規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。(2021.5-38-1)形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。(2021.5-38-2)集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による建替え決議がなされた場合、その決議に賛成した区分所有者は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者から、区分所有権および敷地利用権を時価で買い取らなければならない。(2021.5-38-4)規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各3分の2以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。(2019.5-37-2)形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者および議決権の定数については規約で過半数まで減ずることができる。(2019.5-37-3)規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各2分の1以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。(2018.1-38-2)形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。(2018.1-38-3)規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。(2015.10-38-2)形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。(2015.10-38-3)共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決することが必要であるが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減じることができる。(2014.1-38-3)
- [適切]。形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数によって決します。ただし、この区分所有者の定数(頭数)の方は規約で過半数まで減じることができます(区分所有法17条)。形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この議決権については規約で過半数まで減ずることができる。(2021.9-38-3)区分所有建物の建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による必要があり、この区分所有者および議決権の定数については規約で減ずることはできない。(2020.9-37-4)形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この議決権については規約で過半数まで減ずることができる。(2017.1-38-2)
- 不適切。建替え決議に伴う区分所有権等の売渡し請求は、建替えに賛成した区分所有者もしくは建替えに参加する旨を回答した区分所有者(または買受指定者)から、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対して請求できます。買取りは義務ではありません。また、反対した区分所有者側から買取りを請求することはできません(区分所有法63条3項)。集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による建替え決議がなされた場合、決議に賛成した区分所有者等は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、一定期間内に、区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。(2021.9-38-4)集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による建替え決議がなされた場合、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者は、建替え決議に賛成した区分所有者に対し、区分所有権および敷地利用権を時価で買い取るべきことを請求することができる。(2018.1-38-4)区分所有法に規定する「建替え決議」が集会においてなされた場合、建替え決議に賛成した各区分所有者等は、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者に対し、区分所有権および敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することができる。(2014.1-38-2)
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