FP1級 2015年10月学科試験 問38(改題)

問38

建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、集会の定足数について規約に別段の定めはないものとする。
  1. 区分所有者が管理者を選任または解任するためには、集会の決議によることが必要であり、規約で別段の方法を定めることはできない。
  2. 規約を変更するためには、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の過半数の者であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。
  3. 形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の過半数の者であって議決権の過半数を有する者が出席した集会において、原則として、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、決議に係る区分所有者および議決権の定数については規約で過半数まで減ずることができる。
  4. 区分所有建物を取り壊し、当該建物の敷地に新たに建物を建築する旨の決議(建替え決議)は、原則として、区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数によってすることができるが、この区分所有者の定数については規約で減ずることはできない。

正解 1

問題難易度
肢171.3%
肢26.2%
肢311.6%
肢410.9%

解説

  1. [不適切]。管理者の選任・解任は集会の決議によることが原則ですが、規約で別段の定めをすることが認められています(区分所有法25条1項)。
    区分所有者が管理者を選任または解任するためには、集会の決議によることが必要であり、規約で別段の方法を定めることはできない。2018.1-38-1
    区分所有者が管理者を選任または解任するためには、原則として集会の決議による必要があるが、規約に別段の定めをすることができる。2016.1-37-1
  2. 適切。規約の設定・変更・廃止には、定足数(区分所有者・議決権の各過半数)を満たした集会において、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。その規約が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、少数者の利益を保護する観点から、当該区分所有者の承諾を得る必要があります(区分所有法31条1項)。
    規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各3分の2以上の多数による集会の決議が必要であり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。2022.9-38-2
    規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であり、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。2021.5-38-1
    規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各3分の2以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。2019.5-37-2
    規約を変更するためには、区分所有者および議決権の各2分の1以上の多数による集会の決議が必要であるが、この変更が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、当該区分所有者の承諾を得なければならない。2018.1-38-2
  3. 適切。形状・効用の著しい変更を伴う共用部分の変更には、定足数(区分所有者・議決権の各過半数)を満たした集会において、原則として、出席した区分所有者およびその議決権の各4分の3以上の多数による決議が必要です。決議要件である区分所有者と議決権の定数はいずれも規約で過半数まで減じることができます(区分所有法17条1項)。
    【参考】原則的な決議要件は4分の3ですが、他人の権利や利益を侵害するおそれのある共用部分の瑕疵の除去、または高齢者・障害者等のためのバリアフリー化に必要となる変更については3分の2に緩和されます。
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、原則として、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。2022.9-38-3
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この議決権については規約で過半数まで減ずることができる。2021.9-38-3
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。2021.5-38-2
    区分所有建物の建替え決議は、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数による必要があり、この区分所有者および議決権の定数については規約で減ずることはできない。2020.9-37-4
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者および議決権の定数については規約で過半数まで減ずることができる。2019.5-37-3
    集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数により、区分所有建物を取り壊し、当該建物の敷地に新たに建物を建築する旨の決議(建替え決議)をすることができるが、この区分所有者および議決権の定数については規約で減ずることはできない。2018.9-38-4
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この区分所有者の定数については規約で過半数まで減ずることができる。2018.1-38-3
    形状または効用の著しい変更を伴う共用部分の変更を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、この議決権については規約で過半数まで減ずることができる。2017.1-38-2
    共用部分の変更(その形状または効用の著しい変更を伴わないものを除く)を行うためには、区分所有者および議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決することが必要であるが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減じることができる。2014.1-38-3
  4. 適切。建替え決議は、原則として、集会において区分所有者および議決権の各5分の4以上の多数で決します。マンション再生等に係る決議(建替え・更新・敷地売却・建物取壊し敷地売却・取壊し)の区分所有者と議決権の定数については、規約で別段の定めをすることはできません(区分所有法62条1項)。
    【参考】原則的な決議要件は5分の4ですが、建替え等をすべき客観的事由がある場合には4分の3に緩和されます。客観的事由とは、耐震性不足、火災安全性不足、 外壁等剥落の危険性、給排水等設備の損傷・腐食等、バリアフリー基準への不適合です。
したがって不適切な記述は[1]です。