FP1級過去問題 2017年9月学科試験 問42

問42

贈与税の配偶者控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢において、贈与の年においてほかに贈与された財産はないものとし、納税者にとって最も有利な方法を選択するものとする。
  1. 妻が夫から、相続税評価額が4,500万円である店舗併用住宅(店舗部分30%、居住用部分70%)のすべての贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税の税率を乗じる金額は、2,500万円となる。
  2. 妻が夫から、相続税評価額が4,500万円である店舗併用住宅(店舗部分30%、居住用部分70%)の3分の1の持分と現金110万円の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税の税率を乗じる金額は、450万円となる。
  3. 妻が夫から、相続税評価額が3,600万円である店舗併用住宅(店舗部分50%、居住用部分50%)のすべての贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税の税率を乗じる金額は、1,690万円となる。
  4. 妻が夫から、相続税評価額が6,600万円である店舗併用住宅(店舗部分50%、居住用部分50%)の3分の1の持分と現金110万円の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた場合、贈与税の税率を乗じる金額は、1,100万円となる。

正解 3

問題難易度
肢114.8%
肢28.0%
肢362.5%
肢414.7%

解説

  1. 不適切。
    • 居住用部分の受贈額 4,500万円×70%=3,150万円
    • 店舗部分の受贈額 4,500万円×30%=1,350万円
    居住用部分から贈与税の配偶者控除2,000万円が控除されるので「3,150万円-2,000万円=1,150万円」、この金額を店舗部分の価額と合計し、基礎控除額110万円を控除した「1,150万円+1,350万円-110万円=2,390万円」が課税価格となります。
  2. 不適切。店舗併用住宅の持分の贈与を受けた場合、居住用部分から優先的に贈与を受けたものとして計算します。
    • 居住用部分の受贈額 4,500万円×1/3=1,500万円
    • 現金の受贈額 110万円
    居住用部分から贈与税の配偶者控除2,000万円が控除されるので「1,500万円-2,000万円=▲500万円→0円」、残る現金の価額から基礎控除額110万円を控除すると、課税価格は0円となります。
  3. [適切]。
    • 居住用部分の受贈額 3,600万円×50%=1,800万円
    • 店舗部分の受贈額 3,600万円×50%=1,800万円
    居住用部分から贈与税の配偶者控除2,000万円が控除されるので「1,800万円-2,000万円=▲200万円→0円」、残る店舗部分の価額から基礎控除額110万円を控除した「1,800万円-110万円=1,690万円」が課税価格となります。
  4. 不適切。店舗併用住宅の持分の贈与を受けた場合、居住用部分から優先的に贈与を受けたものとして計算します。
    • 居住用部分の受贈額 6,600万円×1/3=2,200万円
    • 現金の受贈額 110万円
    居住用部分から贈与税の配偶者控除2,000万円が控除されるので「2,200万円-2,000万円=200万円」、この金額を現金の価額と合計し、基礎控除額110万円を控除した「200万円+110万円-110万円=200万円」が課税価格となります。
したがって適切な記述は[3]です。