FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問4
問4
在職老齢年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 厚生年金保険の被保険者が老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権者である場合、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部が支給停止されても、老齢基礎年金は支給停止とならない。
- 老齢厚生年金に加給年金額が加算される場合、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金(報酬比例部分)の一部が支給停止されても、当該加給年金額は支給停止とならない。
- 在職老齢年金の仕組みにより一部が支給停止されている老齢厚生年金の受給権者について、定時決定により標準報酬月額の等級が変更となる場合、7月分の老齢厚生年金から支給停止される額が変更となる。
- 老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職老齢年金の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。
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正解 3
問題難易度
肢18.0%
肢215.5%
肢364.8%
肢411.7%
肢215.5%
肢364.8%
肢411.7%
分野
科目:A.ライフプランニングと資金計画細目:5.公的年金
解説
- 適切。在職老齢年金は、就労による賃金と老齢厚生年金の調整を目的とした制度であるため、支給停止の対象となるのは老齢厚生年金(経過的加算額と繰下げによる増額部分を除く)に限られます。したがって全額が支給停止となっても、老齢基礎年金および経過的加算額は全額が支給されます(厚年法46条1項)。遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その取得以後、老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金および老齢厚生年金のうち、受給権者が選択したいずれか一方の年金が支給される。(2026.1-5-2)遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、65歳到達以後は老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金および老齢厚生年金のうち、受給権者が選択したいずれか一方の年金が支給される。(2024.9-6-2)遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金としてその3分の2相当額と老齢厚生年金としてその2分の1相当額を受給することができる。(2021.1-5-4)特別支給の老齢厚生年金を受給している者が65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給するときは、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給を希望する場合を除き、年金請求書の提出は不要である。(2019.1-4-3)
- 適切。在職老齢年金の仕組みによって年金額の一部が支給停止になった場合でも、加給年金額は全額支給されます。これに対し、老齢厚生年金の全部が支給停止となる場合は加給年金額も全額が支給停止となります(厚年法46条1項)。老齢厚生年金の受給権者が70歳以後も厚生年金適用事業所に勤務している場合、在職老齢年金の仕組みは適用されず、老齢厚生年金は全額支給される。(2015.1-4-4)
- [不適切]。7月ではありません。定時決定は、毎年4月・5月・6月の3カ月に支払われた賃金を基準にして、その年の9月分から標準報酬月額を改定する仕組みです。在職支給停止額は、年金の基本月額と報酬月額相当額(その月の標準報酬月額と過去1年間の標準賞与額÷12の合計)によって決まりますから、定時決定で標準報酬月額が変更されると、総報酬月額相当額も変わり、それに応じて支給停止される額も変わります。このため、支給停止額が変わるのは標準報酬月額が変更される9月分からとなります(厚年法46条5項)。
【補足】年金の支給停止事由が生じた場合、その翌月から支給停止されるのが原則ですが、在職老齢年金では例外的に支給事由が生じた当月分から変更が適用されます。在職老齢年金により年金額の一部が支給調整されている老齢厚生年金の受給権者について、定時決定により標準報酬月額の等級が上がった場合、9月分の老齢厚生年金から支給調整される額が変更となる。(2024.1-5-2) - 適切。老齢厚生年金の受給権を得た人が、65歳以降も厚生年金の被保険者として働き続ける場合、収入が一定額を超えると、在職老齢年金の仕組みによって老齢厚生年金の全部または一部が支給停止となります。このとき、減額調整によって支給停止となった部分の年金額は繰下げによる増額の対象となりません(厚年法44条の3第4項)。
例えば、受給開始を70歳まで繰り下げた人が、65歳から70歳の間に在職老齢年金の仕組みにより平均して40%支給停止されていた場合、70歳から本来受け取る年金額のうち60%だけに増額率42%が適用されることとなります。繰下げ支給の申出により増額された老齢厚生年金について、在職老齢年金の仕組みにより支給調整が行われる場合、繰下げ加算額は支給調整の対象とならない。(2025.9-6-2)繰下げ支給の申出により増額された老齢厚生年金について、在職老齢年金により支給調整が行われる場合、報酬比例部分および繰下げ加算額が支給調整の対象となる。(2024.1-5-4)加給年金額が加算される老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の額は繰下げ加算額を加算した額とされるが、加給年金額については支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。(2021.5-4-3)65歳以上の厚生年金保険の被保険者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職支給停止の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。(2021.1-3-4)65歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者である者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職支給停止の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。(2019.9-4-4)65歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者である者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職支給停止の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。(2017.9-4-4)65歳以後も在職するAさんが、70歳0カ月で老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、繰下げ支給の増額の対象となる老齢厚生年金の年金額は、在職老齢年金の支給調整前の額である。(2014.1-7-1)
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