FP1級過去問題 2026年1月学科試験 問5

問5

公的年金の給付に係る併給調整に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
  1. 遺族厚生年金の受給権者が、60歳0カ月で老齢基礎年金の繰上げ支給の請求をした場合、その請求以後、遺族厚生年金と老齢基礎年金を同時に受給することができる。
  2. 遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その取得以後、老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金および老齢厚生年金のうち、受給権者が選択したいずれか一方の年金が支給される。
  3. 障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達前に遺族厚生年金の受給権を取得した場合、その取得以後、「障害基礎年金と障害厚生年金」「障害基礎年金と遺族厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。
  4. 障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、その取得以後、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。

正解 4

問題難易度
肢113.0%
肢213.9%
肢321.8%
肢451.3%

解説

  1. 不適切。老齢基礎年金と遺族厚生年金を併給できるのは65歳以降です。本肢は60歳のため、老齢基礎年金(老齢年金)と遺族厚生年金(遺族年金)は同時に受給できません。
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  2. 不適切。65歳以降に遺族厚生年金と老齢厚生年金を併給する場合、まず老齢厚生年金が優先して支給され、遺族厚生年金は老齢厚生年金を超える部分のみが支給されます。受給権者が選択することはできません(厚年法64条の2)。
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    厚生年金保険の被保険者が老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権者である場合、在職老齢年金の仕組みにより老齢厚生年金(報酬比例部分)の全部が支給停止されても、老齢基礎年金は支給停止とならない。2026.1-4-1
    遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、65歳到達以後は老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金および老齢厚生年金のうち、受給権者が選択したいずれか一方の年金が支給される。2024.9-6-2
    遺族厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、老齢基礎年金に加えて、遺族厚生年金としてその3分の2相当額と老齢厚生年金としてその2分の1相当額を受給することができる。2021.1-5-4
    特別支給の老齢厚生年金を受給している者が65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給するときは、老齢基礎年金および老齢厚生年金の繰下げ支給を希望する場合を除き、年金請求書の提出は不要である。2019.1-4-3
  3. 不適切。65歳前に受給する公的年金は、支給理由(老齢・障害・遺族)の異なる2つ以上の年金の受給権を得た場合でも、原則として受け取ることができるのは1種類の年金だけです(1人1年金の原則)。したがって本肢の場合、「障害基礎年金と障害厚生年金」または「遺族厚生年金のみ」のいずれかを選択することになります。「障害基礎年金と遺族厚生年金」の組合せは選択できません。
    障害基礎年金の受給権者で65歳到達前に遺族厚生年金の受給権を取得した者は、65歳到達前はいずれかの年金を選択して受給し、65歳到達以後は障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。2024.9-6-1
    障害基礎年金を受給している妻(67歳)が、夫(68歳)の死亡により遺族厚生年金の受給権を取得した場合、障害基礎年金と遺族厚生年金のいずれか一方を選択して受給することになる。2021.9-5-4
    障害基礎年金の受給権者で65歳到達前に遺族厚生年金の受給権を取得した者は、65歳到達前まではいずれかの年金を選択して受給し、65歳到達以後は障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。2021.1-5-3
    老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給していた夫(70歳)が死亡し、障害基礎年金を受給している妻(67歳)が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、その妻は、障害基礎年金と遺族厚生年金のいずれか一方を選択して受給することになる。2018.1-3-3
    障害基礎年金の受給権者が65歳到達日に老齢厚生年金の受給権を取得した場合は、障害基礎年金と老齢厚生年金の組合せによる年金の受給を選択することができる。2015.9-5-2
  4. [適切]。公的年金の併給関係は下表のとおりです。老齢年金と障害年金の組合せの場合、「老齢基礎年金と障害厚生年金」の組合せだけは選択することができません。本肢の組合せはいずれも選択することができます(表の左上4マス部分)。
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    【参考】「老齢基礎年金と障害厚生年金」が併給できない理由としては、障害等級1級・2級であれば障害基礎年金を選択したほうが常に有利なので老齢基礎年金との併給を認める合理的な根拠がないこと、障害等級3級の障害厚生年金は単体として受給することを前提として最低保障額があるので併給になじまないことなどがあると思われます。
    障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。2022.9-5-4
    障害基礎年金の受給権者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができず、65歳から障害基礎年金と老齢厚生年金を受給することになる。2021.5-4-1
    障害基礎年金および障害厚生年金の受給権者が、65歳到達日に老齢基礎年金および老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、「障害基礎年金と障害厚生年金」「老齢基礎年金と老齢厚生年金」「障害基礎年金と老齢厚生年金」のいずれかの組合せによる年金の受給を選択することができる。2018.9-6-4
    障害基礎年金の受給権者が65歳に達して老齢厚生年金の受給権を取得した場合、当該受給権者は、老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をすることができず、65歳から障害基礎年金と老齢厚生年金を受給することになる。2016.9-4-2
したがって適切な記述は[4]です。